私たちの研究室では、結晶成長という分野の研究をしています。以下に、その一部を紹介致します。
1 . タンパク質の結晶成長機構の解明
2. 粒子集積フォトニック結晶(コロイド結晶)の育成と評価
3. 宇宙ステーション実験を含む微小重力実験
1. タンパク質の結晶化機構の解明
ポストゲノム時代の主人公である、タンパク質の立体構造決定に欠くことのできないタンパク質の結晶化の問題についても取り組んでいます。タンパク質結晶化のmaster principleの構築を目指します。
本研究は、京都産業大学、香川大学、キュリー研究所などと共同で研究しています。
![]() ニワトリ卵白リゾチームの正方晶系結晶 (a)510MPa, 15℃, Growth (b)510MPa, 25℃, Dissolution (c)0.1MPa, 25℃, Growth 研究室の片隅で人知れず成長していた結晶。こんなに大きくなるなんて。。。 ![]() 同じリゾチーム結晶でも、単斜晶系結晶は溶解し、三斜晶系結晶は結晶の面をしっかりと保持している。 ![]() 高圧力下において劇的に成長が促進されるグルコースイソメラーゼ結晶周囲の濃度分布を二光束干渉縞を用いて可視化したもの。ちなみに高圧力下(100 MPa)でのその場映像です。 |
2. 粒子集積フォトニック結晶(コロイド結晶)の育成と評価
三次元フォトニック結晶作成の手法として、コロイド結晶の結晶成長コントロールに関する研究も行っております。コロイド結晶とは、ミクロンサイズの微粒子が粒子間相互作用によって規則正しく空間配列し、あたかも粒子が単位となった結晶のようになるものを指します。単位格子の大きさが可視光の波長程度なので、光のBragg反射が起こり、条件が揃えばフォトニックバンドギャップ(注:光学的バンドギャップとは別物→東京農工大 佐藤勝昭先生の 「なんでもQ&A」質問番号121参照。ためになります。。)が出来るなど、まさに三次元フォトニック結晶になり得ます。
本研究については、光応用工学科の森研究グループ、北海道大学低温科学研究所、物質材料研究機構などと共同研究を行っております。
ポリスチレン粒子の二次元配列 ポリスチレン粒子(直径1000 nm)を含んだ分散液を蒸発させると、蒸発する付近で、表面張力によって粒子同士が掃き集められ、このような規則的な二次元結晶ができる。 ポリスチレン粒子(直径258 nm)を含んだ分散液を沈降濃縮し、乾燥後劈開したものをSEMで撮影したもの。結晶化のメカニズムが想像できそう。 |