Pd,Te担持触媒による酸化脱水素反応

乳酸ナトリウムの反応

 ピルビン酸は体内での代謝経路に無くてはならないものであり、 また様々な物質の原料としても広く利用されています。 本研究では効率よくピルビン酸を生成する為に触媒性能の向上を目指しています。 触媒活性試験として乳酸ナトリウムからピルビン酸ナトリウムへの酸化脱水素反応を行い、 酸素吸収量およびピルビン酸ナトリウム生成量から触媒活性を調べています。 また、触媒自体もXRD , XPS ,ICP等を用いて分析したり表面積の測定を行ったりしています。

バナジウムを活性種とした触媒によるプロパンの酸化脱水素反応

 プロピレンには付加価値があり、さまざまな物質の原料として利用されています。 プロパンから水素を引き抜くこと(酸化脱水素)でプロピレンを効率的に得られれば石油化学原料として 有用となります。しかし、プロパンを酸化すると完全酸化生成物であるCO2が発生するため、 プロパンの酸化脱水素反応は高難度酸化反応とされています。 そこで本研究室ではプロパンの酸化脱水素反応においてCO2の発生をおさえ、 プロピレン生成の選択率を向上させるための触媒の開発に取り組んでいます。

 ・水酸アパタイト担持バナデート触媒の活性評価
 ・バナジン酸マグネシウム触媒の改良および活性評価
 ・マイクロリアクタへの応用

水溶性リンおよび重金属の回収

 水溶性のリンは、沼湖、湾などの閉鎖性水域における富栄養化の原因となっており、一方でリンは肥料原料として重要な物質であり枯渇することが指摘されています。 水溶性重金属は、カドミウムによるイタイイタイ病やメチル水銀による水俣病などで知られているように生物・生態系へ深刻な被害を与えます。そのため、水溶性のリンおよび重金属の回収が必要です。そこで本研究室ではベーマイト、カルシウム水酸アパタイト、リン酸水素カルシウム等により水溶性リンおよび重金属の回収を行っています。また、資源リサイクルのためリンおよび重金属の溶出も行っています。

 ・ベーマイト粉体および膜による水溶性リン酸の除去
 ・カルシウム水酸アパタイトによる重金属回収―溶出特性
 ・リン酸水素カルシウムによる重金属回収―溶出特性